世の中をより一歩知る自己牧会ブログ

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「興味」と「関心」の違いと学術的な意見の紹介

こんにちは、まえぴです。

恋愛関係や夫婦関係でお互いに興味関心が向かなくなってきませんか。

マザーテレサは「愛の反対は無関心です」と説くように、相手に関心を向けることは”愛すること”そのものだと思います。

今日は、興味と関心の違いについてまとめてみました。

 

興味と関心の違い

まず使い分けを意識していないだろう思われる2つの用語を紹介します。

興味はどの作業が楽しいと思えるかを経験的に判断した結果として出力されるものです。

また、興味は受動的なものです。相手や物に惹かれて、知りたい、近づきたいと思うものです。

私たちは、かっこいい人、かわいい人には興味が向きますよね。容姿に惹かれてもっとこの人のことを知りたい、仲良くなりたいって思うはずです。これは、あまりエネルギーを使っておらず、心理的には受動的な関心と言えます。

もちろん、どのような生い立ちなのか、趣味は何なのか、お相手にいろいろ聞くと、その質問行為は関心を持っているように見えますが、関心は持っているのですが、その質問に至らせた要因は見た目、これは受動的なものと言えます。

一方で、

関心は、行いたい作業、または行わなければならない作業について、過去の作業経験から得られた能力の認識と環境の影響から生成される新たな動機として出力されるものです。

また、関心は、注意を向けていたり、気に留めるようにする行為です。これは積極的なものです。

 つまり、関心には努力が必要ということです。相手に興味を持つ要素がなくても、相手のことを理解しようとするには、関心を持つ、コミュニケーションをとることが必要です。

 

単身赴任をする夫に関心のない妻の話

ある架空の夫婦の話を紹介します。

妻が携帯電話を修理した後も、単身赴任中の夫に連絡を1か月とらなかった。これまでも、妻の関心が啓発されず、夫からなぜ1か月も連絡をしないで平気でいられるのか、を問われ妻は葛藤していた。

夫に対して、葛藤している要因は、興味・関心の欠如である。「好き」、「愛したい」、「愛されたい」など情的な感情があれば、良いのですが。。。

ここで、もう少し、「興味と関心」を深く考えてみましょう。

一般的に、行為(話しかける、電話するなど)に至るには、まず動機がきっかけにあり、行動して、さらに、その行動を継続させる因子が強ければ、興味・関心が生成される。

妻は、結婚当初からあらゆる人に対する興味が薄い人でした。そのため、妻は「結婚を通じて人に愛せるようになりたい」という目標を持っていました。これは人に関心を持とうとする動機付けです。

 

①動機の生成

 

人が行動する最初のステップは、行動しようと考える動機の生成です。この動機は自分で目標を作り出す個人目標と周りから与えられる環境目標に結びつきます。動機には2種類あるのです。

個人目標とは

例えば、A子さんは、健康増進のために毎朝ウォーキングをはじめ、継続した結果、体の調子が良くなり、道で出会うウォーキング仲間ができ、充実する日々を過ごせたとします。

しかし、個人の中だけに生じるものなので、始めようと思えばすぐに始められるが、やめようと思えばすぐにやめられる、熱しやすく冷めやすい動機です。これは「結婚を通じて人を愛せるようになりたい」という動機も、個人目標に該当します。

環境目標とは

環境目標は、周囲の人の中で優位な位置に立つなど、周りとの関係の中で安定的な立ち位置を形成しようと動機を生成します。例えば、一人ではウォーキングを続けられないと思ったA子さんは、町内で行うウォーキングサークルに加入しました。周りの人が行っていることで自分も継続することができ、さらにサークルの運営にかかわるようになりました。環境目標は、一度始めるとやらないといけないという束縛が生じ、継続を余儀なくされます。

 

②継続因子

さまざまな動機で夫婦で連絡しあったとしても、それが継続できるか否かは、環境の影響を受けずに、能動的に行動を継続する因子、すなわち「楽しいという感覚」があるかどうかです。

「楽しいという感覚」フロー体験

チクセントミハイが見たところによれば、明確に列挙することができるフロー体験(忘我体験)の構成要素が存在する。彼は8つ挙げている。

1.明確な目的(予想と法則が認識できる)
2.専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)
3.自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
4.時間感覚のゆがみ - 時間への我々の主体的な経験の変更
5.直接的で即座な反応(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)
6.能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
7.状況や活動を自分で制御している感覚。
8.活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。

フローを経験するためにこれら要素のすべてが必要というわけではありません。

例えば、「時間に忘れて没頭している状態」、「苦にならないでいつまでも継続したいと感じる状態」と感じる状態であれば、夫婦間のやり取りは興味・関心のある活動であると言えます。

 チクセントミハイのTEDでの講演内容がYoutubeでアップされていました。字幕付きでフローについて理解しやすくなるかもしれません。


ミハイル・チクセントミハイ 「フロー体験」

「できる感覚」自己効力感

もう一つ継続できる因子として、「できる感覚」があると、継続の力になります。

「できる」という感覚は、自己の経験や判断によって生み出されます。そのため、成功体験が続いている作業であれば強くできる感覚を生み出します。逆に、失敗が続くとできるという感覚は想起されにくくなります。

バンデューラは「できる感覚」を自己効力感と呼んでいます。「ある行動を起こす前にその個人が感じる自己遂行可能感、つまり自分にはこのようなことがここまでできるという考え」のことです。自己効力感はさらに、効力予期と結果予期によって分かれています。結果予期は、「ある行動がどのような結果を生み出すかという予期」であり、効力予期は「ある結果を生み出すための行動をどの程度うまくできるかという予期」です。

 「できる!」と思えるまでには多くの経験が必要です。その経験は、成功体験の積み重ねが大切と言えます。

 

まとめ

興味関心は以下の手順で作られる。

「動機の生成」→「継続因子」→「興味・関心の生成」となります。

興味と関心は少し違うこと、そして、興味関心が生まれるにはいくつかプロセスがあって、興味関心が確立していくにもポイントがあることを踏まえてもらえたらと思います。